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成田三樹夫

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友達から借りていた「仁義なき戦い」シリーズを“観戦”し、興奮。
特に、「広島死闘編」は、いつ見てもいい。

その中で異彩を放っている不世出の怪優・成田三樹夫こと、ミッキーが大好きだ。
ミッキーというと、悪役というイメージ強すぎるが、若い頃は2枚目俳優として鳴らしたらしい。(初期の作品、見てみたい!)

思うに、悪役をサラリとこなす役者というのは名優だと思う。
竹内力や哀川翔も凄いけど、ミッキーの境地にはまだまだ届いてない。
(奇才・遠藤憲一がもっとも近いか)

若い優作ファンだったら、テレビドラマの金字塔「探偵物語」の服部刑事役を思い出すかもしれない。
「あ!あのダミ声の、いかついオヤジか!」
・・・思い出した?
寒い時にはスキーの防寒用耳宛を着用して出てくるのには笑ったな~。
コミカルな演技もお手の物だった。

ここで、『成田三樹夫・基礎データ』
1935年生まれ、1990年死去。(享年55歳。若すぎる・・・)
山形県出身、山形大学英文科中退。
遺稿集は『鯨の目』。
評論家・佐高信の実家と成田家が歩いてすぐの所で、成田の10歳下の弟が佐高と高校の同級生だったこともあり、エッセイに何度か成田三樹夫のことが出てくる。
中でも、病気で亡くなる直前、治療が至らなかったことを詫びた主治医に向かって静かに「いいんだよ」と答えたというエピソードには泣けた。

ミッキーといえば、小さいころ見ていたドラマや深夜の893映画で活躍していたので気になる存在だったが、その中でも、『仁義なき戦い・広島死闘編』『仁義なき戦い・代理戦争』が強烈に印象に残る。

兎に角、その独特の存在感とかっこよさ、アクの強さは、現代の若い俳優達なぞ到底敵わない。

「西陣心中」という、暗がりの泥沼に迷い込んだような薄気味悪いATG映画での、鳥肌がザワ~っと立つような怪演ぶりも凄いが、「座頭市・地獄旅」(将棋の腕前がプロ級という事で、将棋好きの浪人役で出演)「ある殺し屋」「女囚さそり・けもの部屋」「柳生一族の陰謀」「眠狂四郎無頼控・魔性の肌」「新宿アウトロー・ぶっ飛ばせ」「蘇える金狼」
・・・などは、死ぬ前に一度は観て欲しい素晴らしさである。

・・・ああ、それにしても昔の映画は題名もすごくカッコイイな。

カッコイイついでに、ミッキーが新婚の奥さんに、撮影先の京都から送った手紙の内容を紹介。
「僕もこの辺でもう一つ腰をおとして勉強の仕直しをするつもりです。
とにかくもっと自分をいじめてみます。
男が余裕を持って生きているなんて、この上ない醜態だと思う。
ぎりぎりの曲芸師の様な、そんな具合に生き続けるのが男の務と思っています。
色気のない便りになって御免なさい。」

“男が余裕を持って生きているなんてこの上ない醜態だと思う。”
・・・ここ読んでるだけでも、この人の凄さが分かるような気がする。

「虹の理論」「マリノフスキー日誌」「タルホ事典」「ユングと共時性」
「自然のパターン」「混沌からの秩序」「風流の図像誌」など、哲学書や歴史書を愛読してたインテリだったそうだ。

どれも読んだ事のない本ばっかり・・

見直したい俳優は山ほどいる。
柔らかいブロイラーのようなドラマや映画を見慣れると感覚が麻痺してしまうので、たまには噛み応えのある、古い映画を観ましょう。(古けりゃ何でもいいわけじゃないが)
食わず嫌いはあきません。

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