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パッチギ!

昨年観た邦画の中で、一番面白かったのは「パッチギ!」。

(なんと、キネ旬年間第1位に輝いた)

とにかく、日本人としては腹の立つ部分もあるのだが(自虐史観その他)、

全くのエンターテインメントとして観れば、第一級の娯楽作品だと思う。



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↑「パッチギ!」ロケ地の京都・円山公園。

「イムジン河」を歌う沢尻エリカと塩谷瞬が思い浮かぶ。

(2005年・12月撮影)




この作品を観るまで、井筒監督のことが好きじゃなかったし、

何にでも文句つける香ばしい姿勢が鼻についてたんだけど、

(キレる芸風が持ち味の“コメディアン”として見ると、面白い存在だが)

元来、「ガキ帝国」「犬死せしもの」等、力のある作品を撮る人なので、

「パッチギ!」での復活は、次回作を期待させるに十分であった。

井筒監督の演出力は、かなり秀でてると思う。

役者をギリギリまで追い込み、泣かせ、怒鳴り、鼓舞させる。

一昔前の、高校野球の鬼監督みたいだ。

最近、こういう演出法を執る監督が少ないから、

緊張する役者達の身体から発せられる汗が、飛び散ってくるようだ。

(この作品の前に撮った数作品は除外しますw)



在日朝鮮人と日本人の間にある、大きな壁を物語に取り入れているが、

そんな事を感じさせない、爽やかさと痛快さがある。

勿論、端々に(特に、ラスト近くの葬式シーン)感じさせる日本への曲解は「?」だが、

そんなことを吹き飛ばすくらい、面白さに満ちた映画だと思う。



井筒監督は、難しいテーマを扱いつつ、娯楽を追及している。

だから、胸に沁み込むシーンもありながら、

胸が躍るような、血湧き、肉踊るようなシーンもある。



この作品を観て「下品だ」とか、「バカっぽい」だという人は、

人生の妙味を知らない人だと思う。



それにしても、俳優陣が秀逸だった。

全員、物凄くアクが強くて、生き生きし過ぎている!

主演の沢尻エリカも素晴らしかったが、

高岡蒼祐の男前っぷりにはシビレまくった。

高校時代・・・こういう頭の切れる不良がいた。

女にモテるし、ケンカも滅法強い。

単なる不良と違うのは、高岡蒼祐が演じたアンソンには、複雑な政治的背景がある。

だから、英雄肌が備わっているので、魅力的に映るのだ。

(ここで言う英雄とは、必ずしも良い意味ではない)

それを存分に感じさせた高岡蒼祐は、素晴らしい役者だと思う。



関西お笑い界の至宝・ケンドー・コバヤシの学ラン姿も良かった。

彼は33歳だが、映画自体に底知れぬパワーがあるので、

高校生の役を演っていても、違和感が無かった。

(これは、奇跡的なことだと思う)



そして、一番印象深かったのは、波岡一喜。

まず、その面構えが良い。

踊るような旋律の関西弁が耳に心地良く響いてくるし、

限りなく地に近いと思わせるような演技が、リアリティを感じさせる。



また観たくなる、秀逸な作品。



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バスをひっくり返すシーンは良かったなぁ・・・。

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