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フィルムノワール的・恋愛映画

毎年のように観る映画があるのだが、「夜叉」は、そのうちの一本である。



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もう、このブログにも何度か書いたので、御存知の方が多いと思う。

先日、再見したので、もう一度書いてみたい。

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嘗て、大阪・ミナミの武闘派ヤクザとして名を馳せていた修治。(高倉健)


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現在は足を洗い、北陸の港町(若狭)で漁師として働きながら、
温かい家族や仲間たちと倖せな日々を送っている。






だが、その平和な生活に、招かれざる客が現る。
螢子(田中裕子)と矢島(北野武)だ。
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螢子は元・ミナミのホステスで、美人局のような魅力を持つファム・ファタール。
矢島は螢子のヒモで、性質の悪いジャンキーである。

この2人に触れた修治は「夜叉」の刺青が疼いたのか、
再び修羅の世界へと足を踏み入れてゆく・・・。



監督は、生真面目な演出が取り得なだけの降旗康男だが、
この作品では、何故か突き抜けたような才気を見せている。





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とにかく、映像が晴らしい。
木村大作のカメラワークが、ダークネス且つ、情感たっぷり。
全編に渡ってフィルムノワール的雰囲気に覆われており、
自宅で観ているのに、まるで、劇場の闇に身を沈めているような錯覚に陥る。

勿論、巨匠・トゥーツ・シールマンスによる咽び泣くようなハーモニカの調べが、
物語の哀愁と、男女の深い情愛を盛り立てている。




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完全に死に絶えてしまった仁侠映画の“良い部分”を拾い集め、
丁寧に紡いで撮った作品なだけに、完成度の高さはハンパじゃない。
(冒頭、救いようの無い欠陥があるのだが・・・)


そして、これは仁侠映画ではなく、上質な「恋愛映画」なのだ。
修治が、ミナミの組事務所まで矢島を救出しに行くシーンがあるのだが、
その時の修治の台詞が、あまりにも白眉。(気になる人は観て下さい)
あの一言は、女を深く理解してる男でないと、絶対に言えない。



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当時30歳(信じられない)という田中裕子の妖艶な演技に注目。

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恋に墜ちてゆく過程で、少女のような態度になるのが可愛い。



寒風吹き荒ぶ北陸の港町・・・
雪に覆われた情景が、より一層、物語をドラマチックなものにする。
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~ パート2へ続く ~

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