« 調理場という戦場 | トップページ | 世界遺産の温泉&鯛釣り »

【リカさんを】悪魔の手毬唄【愛してらしたんですね】

img20081122.jpg



先日、仕事の息抜きにYouTubeをフラフラしてたら、

「悪魔の手毬唄」の映像を、2つ発見。

併せて5分ほどの映像なのに、全身が震えるような音楽と、

映像・物語の持つパワーに圧倒されてしまった。

中学の頃、TVの深夜映画で観て衝撃を受け、

そのあと繰り返し何度も観た作品だ。



興奮が蘇ってきて、いてもたってもいられなくなり、

久し振りに「悪魔の手毬唄」のDVDを鑑賞。

観るたびに印象が変わる不朽の名作である。

監督は、日本映画界屈指のモダニスト・市川 崑。

今年2月、92歳で亡くなった鬼才中の鬼才。

原作は、日本ミステリー界の大巨匠・横溝正史。

気持ちがズーンと重くなるような題名だが、

この作品は、愛憎を機軸にした究極のラブストーリーなのだ。

(そう思えるようになったのは、私が年を重ねたからだろう)

偉大な芸術家、アンドレイ・タルコフスキーの「惑星ソラリス」と

比肩しても、全く遜色の無い「至高の切なさ」が味わえる。

殺人でさえ“愛を表現する為”の「手段」としか思えない・・・

それほどのパワーを持った、普遍的芸術作品である。

因習・愛憎・哀婉・畏懼・秘密・恟恟・土着などの

重いテーマを芸術・娯楽の粋まで大きく昇華せしめ、

そこに、絶妙なユーモアを絡める市川 崑の天才的手腕に感服。



そして、市川 崑といえば、ブライアン・デ・パルマ顔負けの映像の魔術師。

フラッシュバック、ズームアップ、リズミカルな編集、

ハイキー処理、連続静止画、ジャンプカット、

畳み掛けるカットバック等の映像技術が冴えに冴え、

いつ観ても、映像・物語・音楽の「完璧な三位一体」に陶酔する。



そして、このおどろおどろしい映像表現・・・昔観た時、これらのシーンがトラウマになった。

img20081122_3.jpg


img20081122_4.jpg




作品の舞台は岡山県だが、ロケは山梨県の敷島町(現・甲斐市)の本村区で行われた。

ロケの時期は1月初旬~3月。

冬の侘びた空気感が、物語の悲壮感を煽る。

img20081122_1.jpg


絶滅寸前・・・失われゆく日本の風景。 この雰囲気は、実に得難い。

img20081122_2.jpg




キャストが物凄い。



まず、石坂浩二。

img20081122_5.jpg


「ちょっと愛嬌のある知性派のオジサン」というのが、

最近の石坂さんの印象だが・・・

若き日を観てみると、正統派2枚目俳優だと感じる。

もっともっと評価されても良い俳優じゃないだろうか。

私にとって、名探偵・金田一耕助は、石坂浩二以外にいない。

大俳優・若山富三郎。

img20081122_6.jpg


既に故人であるが、未だに強烈な武勇伝が残る伝説の俳優。

(実弟は、言わずと知れた天才・勝新太郎)

この作品では神演技を魅せまくり、観客の心に深い余韻を残す。

途轍もない俳優だったんだなぁと、しみじみ思った。



永遠のミューズ・岸惠子。

img20081122_7.jpg


この頃、40代半ば。

熟れきった女の美が、芬々と漂う。

大人の色香と、可愛らしさのバランスが素晴らしい。

知性も含めた独特の雰囲気は、女優陣の中でも異質の存在。

ラストシーンでは、日本映画の歴史に残る圧倒的演技を披露。





草笛光子。

img20081122_8.jpg


やはり、映画は良い。

往年の大女優の若い頃が観れるからだ。

40代半ばの草笛さんは、熟女フェチには堪らない美しさ。

この映像を、ロバートの秋山竜次に見せてあげたい(笑)。





常田富士男。

img20081122_9.jpg


日本映画界を代表する名脇役。

「まんが日本昔ばなし」の声優で、あまりにも有名。

この作品では、ちょっとイカレたオヤジを演じているのだが、

とにかく、心臓をえぐるような迫力に唖然となる。

是非、このキ●ガイ演技を観て頂きたい。

絶対、損はさせません!







白石加代子。

img20081122_10.jpg


このキャラクターが、一番印象に残った。

まさに「怪演技」!

img20081122_11.jpg


「片桐はいり」を思わせる不思議な風貌に、

楚々とした魅力を兼ね備えた名女優。

女優とは、こういう人を指して言うのだ。

凄い、凄い、凄い!









まだまだ紹介したい人がいるのだが、最後の登場は岡本信人!

img20081122_12.jpg


プライベートでは、道端に生えている「雑草」を料理するのが趣味という。

この人の「新喜劇的」演技も必見!





そして・・・永遠に語り継がれるであろう、涙、涙のラストシーン。

img20081122_13.jpg


「日本人で良かった!」と、心の底から思える情感溢れるシーン。



日本人のDNAを刺激する音楽も必聴。

死ぬまでに、あと100回は観たい映画。

この映画を観て感動しない人は、日本人ではありません。

|

« 調理場という戦場 | トップページ | 世界遺産の温泉&鯛釣り »

映画/ドラマ」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1328421/33176830

この記事へのトラックバック一覧です: 【リカさんを】悪魔の手毬唄【愛してらしたんですね】:

« 調理場という戦場 | トップページ | 世界遺産の温泉&鯛釣り »