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「インプリント~ ぼっけえ、きょうてえ」(Imprint)

やっと観れた~ 「インプリント~ ぼっけえ、きょうてえ」(監督:三池崇史)
岩井志麻子の原作は数年前に読んだけど、映画版は初めて。
(原作は、岡山弁が効果的で、ドロドロとした淫靡さが素晴らしい)

原作と乖離した部分には、敢えてツッコミを入れない。
なぜなら、三池崇史が好きで堪らないから(笑)。
「荒ぶる魂たち」一本だけで、この監督を人間国宝にしたいくらいだ。


冒頭のダークな映像・・・ここで、グイッと引き込まれる。 
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撮影監督は、ハリウッドの巨匠たちに重宝されてる栗田豊通。 この贅沢な映像美!


早速、このような女郎が・・・  期待出来る!
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江戸でいう所の岡場所(ちょんの間、ちょっきり)クラスの色里だから、ゲテモノっぽい女郎もいないとね。


格子から手を伸ばして客引きをする長屋女郎たち。
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そう、そう、こんな映像待ってたんだよ!


吉原や大坂新町など、超一流の御免色里だったら到底考えられない情景だが、岡場所だったら十分アリだ。
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もう、この時点でかなり満足(笑)。
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色里の雰囲気(特に夜見世のシーン)を上手く表した映画が無かったので、めちゃめちゃ興奮できた。


さて、この作品の主役が登場・・・・・・
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以下、グロ画像満載なので、気の小さい方は観ないように。(気分を害しても責任は取れません)

座敷の暗がりから現れる女郎。
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ここで、ストーリーを。
舞台は、明治時代の日本。
アメリカ人文筆家のクリスは、嘗て愛した女郎・小桃を探している途中、ある女郎と出会う。
その女郎は、小桃との思い出をクリスに語り始める。
醜い顔をしたその女郎は、生まれた時から奇形で顔の半分がつり上がり、
その為か、女郎屋では仲間達から疎外されていた。
女郎は、色里を転々とした後、ある色里で小桃と出会う。
どこへ行っても虐げられてきた女郎だったが、小桃だけは優しく接してくれた。
その小桃に、指輪盗難の疑惑がかかり、激しい拷問を受けることになる。
そして、女郎の手によって、小桃は殺されてしまう。
クリスは、優しくしてくれた小桃を「何故殺したのか」と問い詰める。
すると女郎は、生い立ちからの不幸な運命と、その呪われた体の秘密を語り出す・・・・・


様々な経験を積むと、醜悪な中にも美を見出す事が出来るようになる。
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特に、恐ろしく深い傷を持った女というのは、圧倒的魅力を湛えている場合が、“まま”ある。
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この女郎は、その典型だと思えた。


さて、映画そのものが気になる人は、本編を観て頂くことにして・・・


大好きな江口のり子(「ジョゼと虎と魚たち」「時効警察」)が出ていた!
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小さな憎しみを沢山湛えたような顔の中に、そこはかとない色気を秘めている。 長屋女郎にピッタリなルックスだ。
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完全に「トウ」が立つ前に、また薄幸の女郎を演じてほしい。


さて、この映画の見せ場・拷問シーン。
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岩井志麻子(原作者)の嬉々とした演技は必見。
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爪と指の間に針を突き刺し・・・
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歯茎に・・・
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針を刺しまくる。
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いや~ 美しい! 
ただ、この拷問シーンは、全く痛みを感じさせないのが難点だ。
敬愛する三池御大にケチをつけるわけじゃないが、このシーンを、パゾリーニや武智鉄二や実相寺昭雄が撮ってたら、目を背けたくなる名シーンになっただろう。
(モノクロで撮影したら、更に良かったかも)

拷問や暴力シーンを嫌がる人が多いけど、圧倒的筆力を持つ作家や、演出力の高い映画監督の手に掛かれば、
それは、素晴らしい「芸術的表現」へと昇華する。(認めたくない人は認めなくて良い)
頭が固く、芸術を深く掘り下げる素養がない人にとっては、「痛み」以外感じられないだろうが・・・


大ベテラン・根岸季衣も、熱演を魅せます。
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奇形の女郎を演じたのは、何と、工藤夕貴。
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顔の造りや肌の質が凄く綺麗なので、違和感ありと思いきや・・・そこは、天性の演技力で見事にカバー。
この映画はアメリカの会社が制作・配給しているので、全編英語。
だから、工藤夕貴に白羽の矢が立ったというのもあるだろう。

もっとグロい映像があったんだけど、さすがにキツイのでやめときます・・・。
日本の暗部を炙り出し(私は全く物足りないけど)、それをホラー映画に仕立てた力作。
興味のある方は、御覧下さい。
この映画を3つの言葉で表すとすれば、悵然・流亡・奇瑞といったところだろうか。

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