映画/ドラマ

アウトローを演じさせたら世界屈指  原田芳雄、逝く

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名優・原田芳雄さんが、天国へ旅立った。
つい先日行われた映画の舞台挨拶のとき、異様なほど痩せ衰えてたので、もう長くないな・・・と思ってたのだが。

大作で主役を張らなかったが、紛れもなく日本を代表する名優である。
アウトローを演じさせたら、彼の右に出るものはいなかったし、
独特のポジションを確立した稀有な存在感は、唯一無二だった。

男の色気や野性味が、これほど芬々と溢れてた役者を他に知らない。
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(画像は、傑作「はなれ瞽女おりん」より)

緒形拳さん、峰岸徹さん、児玉清さん・・・そして、原田芳雄さん。
立て続けに、素晴らしい俳優たちが天国へ旅立ってゆく。

「また一人、本物の役者がいなくなった」・・・とは言いたくない。
これから先、若い役者が頑張らないと!
映画やドラマが死に体の今、良い役者の育つ土壌が少なくなってきてる。
だから、原田さんのような役者が生まれる可能性は、皆無に近いだろう。
でも、どんな環境でも頑張らなくちゃいけない。
昔の日本映画を観て、その輝きを感性に刻み付けて頑張るんだ!


時間が出来たら、大好きな「竜馬暗殺」を観よう。
原田さんが主役を張った作品の中で、一番好きだ。
Ryoma
あと、不気味な殺し屋を演じた「いつかギラギラする日」の演技も忘れられない。

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楽しみな時代劇2つ

まずは、4月3日スタートの「新選組血風録」
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原作は、言わずと知れた司馬遼太郎の傑作「新選組血風録」。
司馬遼太郎の小説の文体は、映像が浮かびやすい。
だから、数々の作品が映像化され続けてきたのだろう。
私のオススメは、「油小路の決闘」、「胡沙笛を吹く武士」、「沖田総司の恋」。
というか、全て面白いので、興味のある方は、観る前に読んでほしい。
私のオススメは、「油小路の決闘」、「胡沙笛を吹く武士」、「沖田総司の恋」。
というか、全て面白いので、興味のある方は、観る前に読んでほしい。

キャスティングだが、土方歳三=永井大というのは、なかなか良いんじゃないだろうか。
私のイメージする土方の「影」、「冷徹」、「色気」に欠けるが、期待している。
近藤勇=宅間孝行も、期待大。
やはり、欠けるものはあるけど(豪傑さや存在感)、スイーツ層に媚びないキャスティングだと思う。
原作に忠実にドラマ化してくれるかどうか・・・それだけが心配。
大河ドラマ「江」が大失敗してるだけに、NHKには頑張ってもらわないと!


そして、もう一つは「JIN -仁-」。
Jin
何と! 西郷隆盛=藤本隆宏という、奇跡のキャスティング!(嬉)
NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」で、軍神・広瀬武夫を好演した遅咲きの俳優。
ドラマ自体はPART1がメチャメチャ面白かったので、心配ない。
今から、物凄く楽しみ!

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北野武は、やっぱり「世界のキタノ」でした

6月12日から公開の「アウトレイジ」観てきました。 (画像は某動画サイトにあった舞台挨拶の模様)
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監督・主演は、北野武。


キャストは・・・
左から、塚本高史、杉本哲太、國村隼、北村総一朗
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三浦友和、北野武(やっぱ天才です)、椎名桔平、加瀬亮
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熱演を祝して引き続き登場・加瀬亮、小日向文世、石橋蓮司、中野英雄(ホンモノ顔負けの迫力)
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いや~ このメンツ、マジで最高ですよ。
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よくぞキャスティングしてくれた!って感じ。
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北野監督がエンタメ路線で撮っただけに、従来の北野組の役者(大杉漣や寺島進など)じゃないのが新鮮だった。

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・・・・・・と、椎名さんがコメントしてるように、“気持ちいい映画”だった。
過激な暴力描写も、独特の笑いも、間の取りかたも凄く好み。
とにかく、言いたい事は山ほどある。
ケチもつけたい。(北野映画を愛するがゆえの)
だけど、公開が終わるまで、口を噤みたいと思う。(DVD買ったら、キャプ&レビュウします)
何故ならば、北野武の映画を、一人でも多くの人に観てほしいからだ。
じゃ、褒めて褒めて褒めまくれば良いじゃないかと言われそうだが、そうはいかない。
北野武の映画は、良い意味で素直に賞賛出来ないのだ。
従来の作風ではないから、「万人向け」の作品といえる。
だから、逆に褒めるのが難しい・・・。
私は、北野映画のファンである。
北野武を敬愛している。
異様なほど強烈な思い入れがある。
だから、書けない。
蓮見重彦のように語れない。


鋭い演技を魅せてくれた加瀬亮だが、舞台挨拶のマイクの持ち方が乙女チックw
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國村隼さんの演技良かったなぁ~
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北野武の顔の歪みが酷いとか、滑舌が悪いとか言われてるようだけど、それは「個性」として十分許容出来る。
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やっぱ天才です。

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From Paris with Love

「パリより愛をこめて」観てきました。
Paris


全く期待してなかったけど、かなり面白かった!
気に入らないところはあったが(ハリウッド的な、ベタすぎる掛け合い)、
人権・人種完全無視の殺戮シーン(あくまでも任務)は爽快で気持ち良かったし、
食事シーンでの“裏切り”は、なかなか見応えがあった。

トラボルタは相変わらず素晴らしい演技だったが、身体が重そうだったなぁ~。
アクションシーンは、スタントマンとの併用だろうけど、やっぱり無理を感じた。
っていうか、目が可愛いので、あまり迫力を感じられなかったのが残念。
「トレーニング・デイ」のデンゼル・ワシントンのようなカリスマ性があれば、物語が引き締まったのに・・・
作風が違うので仕方ないけど。
ジョナサン・リス・マイヤーズが、イーサン・ホーク以上に良かっただけに、そう思ってしまった。

わざわざ劇場へ行くほどの「傑作」ではないけど、DVDなら十分アリの「佳作」です。

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ロケ地~ 大阪最強伝説・喧嘩の花道―その3

とにかく、これは、大阪の映画である。
世界の溝口や市川崑が撮った大阪も良いが、私は、三池崇史や阪本順治が撮った大阪の方が好きだ。

全編に渡って、大阪ロケが敢行されている。(注※淀川以北の大阪とは違う大阪です)
まず、南海高野線・木津川駅。
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新世界。(東京でいう所の浅草だが、こっちの方が面白い)
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通天閣本通り。
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「その1」で書いた飛田新地。
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地図上の「A」が飛田界隈。(クリック推薦)
Osaka

飛田新地の脇にある住宅地かな?
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「北村一輝&やべきょうすけ」~ 大阪最強伝説・喧嘩の花道―その2

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①日本映画界の至宝・北村一輝のデビュー作
②大阪の下町に渦巻くドクドクしたパワー満載
③傑作「クローズZERO」(Ⅱも含め)の原点を窺い知れる

・・・これらの魅力が、ギッシギシに詰まった記念碑的作品。

この映画は、赤井英和、前田日明の高校時代のエピソードを盛り込んだ小説(二宮清純・著)を基に撮られている。
赤井・前田の強烈すぎる逸話の数々は、近畿圏に住む男だったら、間違いなく血湧き肉踊るだろう。


まず、北村一輝の登場が鮮烈! (このときは本名の「康」)
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港の脇にある原っぱで、喧嘩売ってきた奴をボコるシーン。 ポン中入ってんとちゃうか?と見紛うようなドツキかたw

しかし、この迫力には度肝を抜かれる。
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荒ぶる若虎が、咆哮するようなカッコよさ。
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飛田新地が出てきた! 「大阪最強伝説・喧嘩の花道」その1

敬愛する三池崇史監督のデビュー作「大阪最強伝説・喧嘩の花道」(1996年)を観戦。
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「クローズZERO」を観て好きになった“やべきょうすけ”と、北村一輝先生が出てるというので、気になってたのだ。

全編、大阪ロケなんだが、何と、飛田新地が出てきた。
※その前に、飛田新地の過去記事をどうぞ。


この看板とネオン・・・見慣れてる人にとっては吸引力抜群。
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ていうか、良く撮影許可が下りたなぁ・・・ 田中登監督の「(秘)色情めす市場」ですらゲリラ撮影だったのに。

飛田の姫。 もちろん、役者さんだろうけど・・・結構、雰囲気あるよね。
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作品の舞台が70年代の大阪という事もあって、姫の古臭さ(色気があるという意味)が良い感じ。

私が飛田新地に初めて行ったのは高校時代なんだけど(90年代)、当然、冷やかしだけで、登楼する事はなかった。
その後も、里帰り(と呼んでる)するたびに飛田周辺を歩くわけだが、再開発の勢いが凄すぎて、
あの淫靡かつ危険極まりない雰囲気が薄れていってるのが残念でならない。(当時は歩くだけで怖かった)
街は、死ぬ。
アッという間に変わってゆく。


多分、本物の飛田の御茶屋でロケしてんじゃないかな。 (チラッと見えるのは、本物の遣り手婆?)
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第9地区 (DISTRICT 9)

今日から公開の話題作「第9地区」観てきました。
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初日に映画を観に行ったのは何年ぶりだろう・・・。
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SF系の映画はあまり好みじゃないんだけど、これは十分楽しめた!
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(ストーリー)
南アフリカ共和国・ヨハネスブルク上空に、突如宇宙船が出現した。
だが、その宇宙船は故障して動かなくなった為、その場に留まってしまう。
20数年後、宇宙船に乗っていたエイリアン(宇宙人)たちは地上に下り、隔離地域である第9地区へ移住し、
難民として人間たちと共存していた。
だが、人間とエイリアン(「エビ」と呼ばれている)の争いが絶えない為、超国家組織・MNUによって管理・監視されていた。
主人公・ヴィカス(MNUの役人)は、エイリアンを新しい地域に移動させる為、第9地区に赴くが、そこで大事件が起こる。


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旧南アフリカのアパルトヘイト時に於ける「第6地区問題」を基にしているので、リアリズム感たっぷりのストーリー展開。
(当然、カメラワーク・演出はドキュメントタッチ)
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ただ、そこはハリウッド。
先の読めないエンターテインメント的展開で、グイグイ押してくる。
エイリアンしか使えないという特殊な武器をDNAと併せて巧みに扱ったり、
如何にも“人間がやりそうなこと”を提示して、ドンドン盛り上げてゆく。
個人的には、徹底した現実路線で物語を進めてほしかったが・・・それじゃ興行成績に結びつかないよなw


(キャスト)
主人公・ヴィカス役のシャルト・コプリーが素晴らしかった。
とてもシロウトとは思えない卓越した演技!
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ちょいちょい見えた“10円ハゲ”みたいなのは、ヴィカスのストレスを表す演出か?(だったら凄い)
ジョン・マルコヴィッチとブルース・ウィリスをMIXしたようなクーバス大佐(デヴィッド・ジェームズ)、
ヴィカスの妻・タニア(ヴァネッサ・ハイウッド) の美しさも目を引いた。
マイナーな俳優陣でキャストを固めたのが、この映画の魅力の一つといえる。
手垢のついた俳優だと、リアリズムが霧消しちゃうからね…。


ところで、この映画、武器オタクやロボオタクにも評判良いんじゃないだろうか。
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あまり詳しくない私が観ても、あの武器やロボットで話を膨らませた映画(スピンオフ)を妄想したくらいだから…
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それと、しばらくエビ食えなくなった人いるんじゃないかなw
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The Hurt Locker 第82回アカデミー賞・作品賞(他、多数受賞)

ハート・ロッカー観てきました。
今更、アカデミー賞受賞作品ねぇ~ って感じだけど(勿論、良い作品もある)、
この作品は、なかなか秀逸だった。

イラクを舞台に、アメリカ軍・爆弾処理班の過酷な日々を描いた作品。(ロケ地はヨルダン)
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冒頭の爆弾処理シーンのスリリングな演出は白眉。(映像も凄い)
とても女性監督(キャスリン・ビグロー)が撮ったとは思えない切れ味に驚愕。
「マシュー“マット”・トンプソン二等軍曹、ええ横顔やなぁ~」と思ってたら、ガイ・ピアースだった。
大傑作「メメント」以来、久し振りにガイ・ピアース観たけど、改めて凄い俳優だなぁと…。
出番が少しだけだったのが残念。

【ストーリー】
2004年のイラク・バグダッド郊外。
アメリカ軍・爆弾理班は、仕掛けられた爆弾の解体や爆破の作業を遂行していた。
準備が完了し、兵士たちが退避しようとした時、突如爆弾が爆発。
罠にかかり殉職したトンプソン二等軍曹に代わり、新たな兵士が送り込まれてくる。
その兵士は、トンプソン以上の命知らずであった・・・。
過酷な状況下、兵士たちとテロリストたちの壮絶な死闘が繰り広げられる。


新たな兵士とは、ウィリアム・ジェームズ一等軍曹。(ジェレミー・レナー)
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初めて観た俳優だが、非常に印象に残った。(撮影当時は37歳くらいだが、もっと若く見えた)
サンボーン三等軍曹(アンソニー・マッキー ←この俳優も良い!)と事あるごとに衝突したり、
胸の内に秘めた様々な葛藤を表現した演技は、実に秀逸だった。
絶滅寸前の「侠気」を感じさせる稀有な俳優だと思う。

戦場というのは、究極の修羅場である。
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だから、人間の全てが「露わ」になる。
それをドラマにするのは、簡単なようでいて、実に難しい。
修羅場というのは残酷な分、物語としてはシンプルに著せるのだが、「形」として表すのは相当困難だと思う。

唯一の欠点は、ラストの臭さ(ここで純正ハリウッド映画かよ!)に、女性監督としての「甘さ」が見えたこと。
これは、男が女の世界を描く時にも同じことが言えるんじゃないだろうか。
(いや、男とか女とかじゃなく、監督自身のセンスの問題か?)
但し、観て損はない佳作だと思う。

レイフ・ファインズ、デヴィッド・モースという大物俳優も出てるので、要注目。
ちなみに、タイトルはアメリカ軍の隠語で「苦痛の極限地帯」「棺桶」を意味するそうだ。

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Carlito's Way カリートの道

当たり前の事かもしれないが、良い映画というのは、絶対に色褪せない。
そして、観るたびに、新しい感動が味わえる。
(永遠の名作だと思っていた「レイジングブル」だけは色褪せてしまった…)

「カリートの道」は、名優アル・パチーノと、鬼才ブライアン・デ・パルマがタッグを組んだギャング・メロドラマ。
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「メロドラマ」と書いたが、昼に流れてるような“辛気臭いメロドラマ”ではない。
「Melodrama」(扇情的で情緒的風合いの強い、悲劇的なドラマ)のことである。

この作品は、まさに、「クラシック」と呼びたい王道の作風。
並みの監督が撮れば確実に駄作となるであろう脚本だが、さすが、デ・パルマ。
骨太で、切なくて、Bombな悲劇を我々に魅せつけてくれる。
画作りの隙の無さ、手堅い演出、音楽の使い方、流麗なカメラワーク、俳優たちの鬼気迫る演技・・・
数年ぶりに観たが、最後まで飽きる事なく陶酔出来た。

グランドセントラル駅でのスタイリッシュな銃撃戦(デ・パルマ節が炸裂!)から、
カリート・ブリガンテを襲うベニー・ブランコ(若きギャングスター)のシーンまで、瞬きするのさえ惜しい。
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ジョー・コッカーの美しい名曲「You Are So Beautiful」が流れるまでの
一連のラストシーンは、何十回観ても胸がギュッと締めつけられる。


これは、紛れもなく「大人の映画」だ。
初めて観たのは学生時代で、それなりに楽しめたが、年を重ねる毎に、この作品の魅力に騰越してしまう。

今や、ハリウッドを代表する俳優に“なってしまった”ショーン・ペンの怪演(この変身っぷり!)や・・・
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プエルトリコ系の若きギャングを演じたジョン・レグイザモが、むちゃくちゃカッコいい。(要必見)
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アル・パチーノの恋人役、ペネロープ・アン・ミラーの50年代風クールビューティーも白眉!

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